形態や色彩を最小限度まで突き詰めようとした一連の態度を最小限主義、ミニマリズム(英: Minimalism)という。 1960年代のアメリカに登場し主流を占めた傾向、またその創作理論であり、最小限(Minimal)主義(ism)から誕生し、必要最小限を目指す手法である。装飾的な要素を最小限に切り詰め、シンプルなフォルムを特徴としている。(Wikipedia参照)
まず彼の功績に敬意を表し、改めてお悔やみ申し上げる。
僕が彼を好きな理由はいろいろあるが、恐れ多くも接点、或いは共通点と思えるようなところを話していこうと思う。
有名な話だがJobsはイッセイミヤケのセーターを常に着ている(少なくともプレゼンでは)。
そして定期的に捨て、また同じデザインのセーターに袖を通す、在庫が少なくなれば例えその商品が生産終了していたとしても同じ物を発注し製造させる。
眼鏡はドイツのLunorの縁無し丸メガネであり、靴はNew Balanceのスニーカーであり、JeansはLevisである(少なくともプレゼンでは)。
ようするに己の価値観でそのカテゴリーを極めたアイテムのみを装着するという
ミニマリズムを実践している。
僕が思うにJobsにとってそれは非効率的であり
面倒くさいのだ。
これらは勿論ファッションに限ったことでは無く、様々な生活用品も含まれるはずだ。
Apple製品はミニマリズムであるが、Jobsの思想こそがミニマリズムであると僕は思う。
Apple製品のデザインは承知の通りミニマルデザインだが、そのラインアップもミニマリズムに組み込まれようとしていると僕は強く思う。
ここで僕の話をしようと思う。
僕がまだミニマルという概念をよく知らない時に自然と湧いてきたある思念の話である。
これはミニマル「デザイン」では無く
ミニマリズムの話である。
僕ら世代は否応なく大量消費社会の真っ只中に生まれ、共に育った。
巷には合成品が満ち溢れ、よく注意して観察しなければ純粋な性質と品質をもった代物に出会えることがなかった。
物心ついてそれを意識し始めたのがファッションからであったと思える。
ナイロンやプラスチック、一番嫌いだったのは
合成皮革とマジックテープである。
こんなことに一々気を取られたくないと切実に思い、沢山雑誌を見た。
そしてそこに共通点を見つけた。
その多くはアンティークと言われるもので、古めかしいものであったがそれらはそのアイテムの純粋さが失われること無く、堂々とした風格があった。
そして本革の耐久性、しなやかさ、美しさに心を打たれ、色々探した。
そこで感じ始めたのは革製品を一から十まで揃えたブランドが極僅かであることだった。
それは自分の中ですごく効率が悪く、頼りなく感じ、まるで同じ種族であるのにかかわらず省かれた者たち、スカスカになったジェンガのようなものを想像し府に落ちなかったのを覚えている。
細かい話をしだしたらきりがないので言っておくが、本当に優れた物を作りたいと思うなら、いかにも当たり前だが一から十までの工程を一つの組織あるいは人がやるべきであるということだ。
例えば、一つ一つの音を録音し、それらを重ねあわせ作曲し、ジャケット(アートワーク)を描き、プロモーションビデオを製作するという工程を自らがやるべきだと考えた。
それらは非常に骨が折れる行為で、かつ多才でなければならないがそれが本当にいいものであると僕は確信する。
PCメーカーでその思想に一番近い形で実現しているのがApple製品であり、それはJobsの思想であると思う。
ありがとう、Jobs。
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